

特徴的な取り組み
初期研修で身につけたい能力の一つに、日常的に遭遇する疾患の診断と治療があります。年間の救急搬入数が1800件を超える当院には、軽症から重症まで実に様々な患者様が訪れることから、プライマリな研修を行うには最適の環境と考えます。
研修はステップアップ方式での研修を行っています。一般外来だけでなく救急や当直でもステップアップ方式を取り入れており、いずれにおいても着実に実力をつけることができるようになっています。また当直独り立ちに先立ち「当直OSCE(※下記参照)」を行い、独り立ちに際しての評価を行っています。
確立した研修評価と目標
研修は研修医手帳をもとに、その科でどのようなことを学びたいか、何を身につけたいか、自己課題を立てるところから始まります。各ローテート先で、医師、他職種スタッフを交えて、自己課題がどこまで達成されたか自己チェックをし、スタッフみんなで到達度チェックをします。
指導医評価
研修総括の時に、指導医の良かったこと・悪かったことをチェック項目に従って記入してもらいます。指導医にもフィードバックがかかるようなシステムをとっています。
OSCE
1年目研修医の研修到達の確認と当直独り立ちに向けての指導を目的とするOSCEが、年1回(3月頃)行われます。
※内科・小児・整形・ER 主に15分+フィードバック10分
研修プログラムの特徴
- 導入研修
チーム医療や患者の立場に立つという視点を養う目的から、医療スタッフ体験実習(看護師、栄養士、薬剤師他)を重視して取り組んでいる。
- 病棟研修
各科にローテーションした研修医は、病棟指導医の指導、管理のもと、患者の担当医として診療にあたる。各科ごとに設定された各種力ンファレンスや学習会、病棟回診等を 行い、またドクター・ナースカンファレンス等も重視して行う。
各科では、研修開始前に研修医と指導医の両者の確認によって研修自己目標が決定され、その研修目標に照らして研修総括が行われる。基本的研修目標と総括は、それぞれの科 のGIO・SBOを活用する。
- 救急(ER)研修
基本研修科として、救急部(ER)に所属し専属指導医のもと、日中の救急外来を中心に研修を行う。救急(ER)研修の到達点を確認するために、救急・当直OSCEを実施する。
- 当直研修
研修開始後から、当直帯での救急(ER)研修を行う。医療面接→身体診察→検査・処方・ 処置の段階的研修を行っていく。救急車搬入時も指導医と同時に研修医をコールし、指導医から研修指導が行われる。専任の指導医が救急研修の指導に当たる。このような1年をかけた研修ののちOSCEを経て、当直一人立ちとしている。
- 内科外来研修
専属指導医の下、医療面接→身体診察→検査・処方・処置→患者療養援助等のステップアップ方式で研修を行う。医療面接に関しては、医師一患者間の信頼関係づくりや患者の社会背景をきちんととらえていくことを目的とし、SP(模擬患者)を活用した医療面接試験、実際の身体診察の現場を確認するなど、習熟度を確認し段階的に研修を行う。
- 外科領域研修(外科・整形外科)
ー般外傷の診断と初期治療ならびに高齢化社会を反映して整形外科的疾患が増加している中、整形外科研修を外科領域として必修科に位置づけている。また、外科研修では、急性腹症など外科関連の救急疾患、悪性疾患などが位置づけられており、整形外科ならびに外科をそれぞれ研修することによって外科領域の研修目標を達成する。
- 診療所研修
地域保健・医療分野の研修目標を達成する研修先として診療所研修を位置づけている。地域・在宅医療分野において、特に疾病を生活や労働との関係でとらえる視点、患者会や地域班会、その他地域での活動を通じて健康で住みよい地域づくりの視点を身につけることを研修の大きな目的としている。また、医療スタッフとの関係づくりの視点でも重視している。
- 研修医基礎講座
当直や各科研修で医療活動を行う上で必要な基礎的知識や技術について、医療の安全(リスクマネジメント)、感染対策などの学習会を開催している。
- 研修医学習会
週1回、研修医が集まり自ら決めたテーマについて学習する時間を保障している。
- 研修医会
月1回、研修医が集まり互いの研修状況を確認しあう。また、学習会の内容について検討したり、研修システム・待遇条件を改善するための討議を行う。
- コミュニケーション研修
病院として弘前SP研究会を設立し、コミュニケーション技法教育に活用している。SPを活用した医療面接セミナー、当直一人立ちOSCEを開催している。
- 医療生協研修
月1回、医療生協組合員で構成される「班会」・「医療講話会」などに講師として参加し、地域での予防活動の実践を学ぶ。また、地域の人々との交流を通じ、地域の医療ニーズを知る機会として位置づけている。
- クオリチーム委員会(Clinical Quality lmprovement Team)
月1回、医療の質の向上・医療の安全や社会貢献を目指し、職員育成のため全職種参加型の病院横断的委員会を様々なテーマ(医療安全、社会保障、医療生協、平和活動、感染対策、NSTなど)で開催している。この委員会への参加を位置づけている。
- 学術研修
研修期間中の学術活動として、所属科の学会(地方会含む)、日本医学教育学会、日本プライマリケア学会、総合診療医学会、家庭医療学会、弘前医学会等への演題報告を位置づけている。また学会への参加や年会費も病院で負担し保障している。