特徴的な取り組み

初期研修で身につけたい能力の一つに、日常的に遭遇する疾患の診断と治療があります。年間の救急搬入数が1800件を超える当院には、軽症から重症まで実に様々な患者様が訪れることから、プライマリな研修を行うには最適の環境と考えます。
研修はステップアップ方式での研修を行っています。一般外来だけでなく救急や当直でもステップアップ方式を取り入れており、いずれにおいても着実に実力をつけることができるようになっています。また当直独り立ちに先立ち「当直OSCE(※下記参照)」を行い、独り立ちに際しての評価を行っています。

自前のSP養成で医師養成


SPとはいったいどんなもので何をするのでしょうか。
SPは、simulated patientの略で本物の患者ではありません。患者様のもつ様々な身体的症状や心理的・感情的側面を模倣できるように訓練を受け、仮の診察場面で患者として演技を行い、その時感じたことを医師や医療者側にフィードバックをします。それぞれのSPごとに生活背景や家族、職業、症状、病気などが設定され、診察場面では、医師の態度や一言一言に対し、驚いたり、落ち込んだり、時には涙ぐんだり、日常的におきている診察場面をドラマ化します。

さて、このようなSPが医師養成において活動する意義とは何でしょうか。それは、第一に全国の多くの患者代表として実際の診察場面で感じた患者側の気持ちを初めてダイレクトに医療者側に伝えたことです。

SPが医療面接の場面で感じたことを医師(医療者)側にフィードバックするとき、患者側の利益のみを代弁するような発言はしません。つまり、SPによる医療面接教育に参加して学習しようという医師に対して不必要で過度な批判は行いません。むしろ医療面接で良かった点を積極的に評価し、その評価を前提としながら気がついた点をいくつか指摘するようにします。これは、とりもなおさずSP活動の最終的目標が医師-患者の信頼関係づくりにおかれているためで、SPのフィードバックも人間と人間の良好なコミュニケーションづくりの基本である、相手の良いところを評価し、相手を重んじるという視点に貫かれているからです。



トップへ戻る